あなたが転職先としてITを考えておられる場合、業界の持つ専門性から、未経験者の場合とても躊躇されることと思います。
また、「プログラマー35歳定年説」などというイメージが先行して、若くなければとても入っていける業界ではないと思われている方も多いでしょう。

一方で、IT業界は既に深刻な人材不足に陥っているといわれます。
急速なテクノロジーの発展にそれを担う人材の育成が追い付いていないというのです。

IT業界への未経験者の転職は可能なのでしょうか?
もし可能なら、年齢的にはいくつくらいまでなら可能なのでしょうか?

そして、転職するのに最もスムーズな方法は何でしょうか?
これらについて考えてみましょう。

未経験者でも、転職しやすいITの職種は?

ITと一口に言っても、実に多種多様な職種があることはご存知ですよね。
大きく分けると、次の4つに分かれます。

Web系
情報処理サービス
ソフトウェア
ハードウェア

業界の分類と合わせて、役割の分類というのもあります。
システムエンジニア、プログラマー、webエンジニア、セールスエンジニア…。

未経験の方にとっては、もはや何が何だか分からない感じだと思います。
しかし、私達の日常と全く関わりが無いかというとそうではありません。

例えばWebエンジニア。Wordpressでホームページやブログを作成したことがある方は、管理画面で“php”というコードが見られることをご存知でしょう。
Wordpressは、「テーマ」というブログテンプレートに「プラグイン」というプログラムをインストールして様々な機能を持たせます。
プログラミングなしに制作が可能ですが、phpが分かれば自分の好みにプログラミングすることが出来ます。
まずはプログラミングなしでWordpressを操作出来るようになってから、phpを学ぶのも良いと思います。

次に、セールスエンジニア。企業にアプリケーション等の自社製品の導入を働きかける技術者です。
営業さんの販売を技術的にサポートするセールスエンジニアは、「技術営業」とも呼ばれ、クライアントに高い専門的知識を持って自社製品の提案を行ったりする人です。
あなたが今の職場で使っているシステムも、彼らの販促によって導入が決まったのかもしれません。
セールスエンジニアは、現場では大変高度な知識も求められるので、エンジニアとして十分なキャリアを積んだ人でないと務まらないかと思いますが、
逆にセールスエンジニアからプログラマーの道へ転向する人もいると聞きます。
このように、私達のすぐ身近にいるエンジニアもいるということです。
こういった職種は、就労のイメージもしやすく、転職に踏み出しやすいでしょう。

年齢の壁はある?

これは残念ながらあります。
未経験でのIT転職が、最もたやすいのは20代です。

若くて吸収が良くリーダー格より年下に収まるので配置しやすく、彼らは将来性だけで即戦力にならなくても採用されます。
30代、40代でIT未経験であれば、プログラミングスクールやウェブセミナーを受講するなどしてから転職活動をするのが賢明です。
50代は、現役エンジニアでも優れたスキルがなければ失職したりもする年代です。未経験転職は難しいと言わざるをえません。

エンジニアに求められるスキルや資質ってどんなもの?

まずは、エンジニアに求められる資質から考えてみましょう。
エンジニアの職種が多岐に渡るので、それぞれに個別に求められる資質はありますが、次の3つが息の長いエンジニアになるために必要な資質だと思います。

■論理的思考ができること

開発の現場はしょっちゅう問題が勃発します。無理難題を押し付けられることもあったりします。
そのたびにいちいちパニックを起こすような人は、残念ながらプログラマーには向いていません。
感情的にならずに冷静に、どうやったら解決していけるかを論理的に考えられる人。
こんな人が、最もエンジニアにふさわしい資質を備えた人だと言えるでしょう。

■新しいものが好きなこと

開発の現場では、技術のアップデートは日常茶飯事です。
その頻繁な更新について行ける人でないと行けません。
また、そういった動きにアンテナを張るのが好きな人が望ましいです。
近々アップデートの動きがあるのかホームページでチェックしたり、スキルアップを図るためにセミナーに出たり、
そういった自助努力を惜しまない人は、ぐんぐんキャリアアップしていけるでしょう。

■コミュニケーション能力があること

ITエンジニアは、チームで開発します。役割の違うものが集ってリーダーの組んだ工程に従い作業を進めます。
この時、勝手な暴走をする人は困ります。また、実は手におえずに自分だけ全体から遅れを取っているのに、
それを黙っているような人がいると後々全体に迷惑がかかります。

現場のフロアは大抵はほぼ無言で、なぜならば無言でのぞまないとどこまで完了したか見失ってしまうからだそうですが、
開発はチーム作業なのですから進捗状況など重要なことは報告できないと行けません。

特に、新人として現場に出された方に残念ながら良く起こるそうですが、
現場で臨まれる作業が全く手におえないのに、先輩に聞きまくることも危機的状況をマネージャーに報告することも出来ず、
ある日突然出社しなくなり音信不通になる人がいるそうなのです。現場は大騒ぎになりますよね。

分からないことを悩まず質問出来たり、遅れを取ってしまったことを素直に報告できる能力があるかないかで、
息が長いエンジニアになれるかどうかが決まるとも言えるでしょう。

未経験からITエンジニアに転職する方法は?

20代であれば、先述したような「ポテンシャル採用」で、未経験での採用は可能でしょう。
30代、40代であれば、即戦力採用が殆どであるため、転職活動前にスクールやセミナーに通うなどしてある程度スキルを習得しましょう。

もし、あなたがWebエンジニアの道を選び、Javaをプログラミングスクールで習うとします。
その場合、ただ受け身で授業を受けるだけでなく、Androidアプリの開発も目指してみましょう。
スクールには、何でも教えてくれる先生がいます。コードをウェブやGitHubから探してくる方法も、伝授してくれると思います。
アプリの審査がなかなか通らないとしても、スキルシートには「Androidアプリ申請中」と記入しましょう。それは強いアピール力を持ちます。
このように、20代でないのであれば、ある程度プログラミングを勉強したベースが無いと転職は全く難しいと思います。
転職エージェントは、エンジニアの開発経験に見合った案件をすすめてくるのですから、スキルシートに書けるものがあるのとないのでは違います。
技術を学んだベースで、知人の会社の案件をちょっと手伝えたり、まれですが、ハローワークで経験不問の職場を探して、開発経験を持つのも手です。
この期間、スクールやセミナーの講師など、あなたを助けてくれるメンターがいると尚良いです。

未経験者におすすめの転職サイト

IT未経験者対象のサイトはなかなか無いのですが、次の3つを見つけました。
■リクナビNEXT
未経験からIT転職に成功した方の体験記も。「未経験者歓迎」の求人も扱っています。
■マイナビ転職
未経験者OKの案件も多数扱います。
■@Type
未経験者OKの案件も多数扱います。

未経験でのIT転職は厳しい…それでも挑戦したいあなたへ

未経験のIT転職は厳しいです。
特に30代以降。
未経験でもスムーズに転職するためには、多くの努力が不可欠と言えるでしょう。
しかし、この厳しさを知ってもなおITに転職したいと願うあなたなら、この世界の中に自分の一生の仕事を探せるかも知れません。
転職セミナーに行って、多岐にわたるITの職種について質問してみるのも良いでしょう。
現役エンジニアがメンターを務めるワークショップを覗いてみるのも良いでしょう。
「connpass」を検索すると、そんなイベントがたくさん載っています。                                       もしあなたが苦労してでも飛びこんでいきたい世界がそこにあったなら、一大決心をする価値は十分にあると思います。